日記


縫うこと

いっしょうけんめい縫いました!
いっしょうけんめい縫いました!

模写ーまなぶこと、まねぶことの間で

模写に挑戦!
模写に挑戦!

学ぶことは、真似ぶことから。

アトリエでは毎年、模写をテーマにする日があります。

いちばん小さなひとから、大きいひとまで。ずらずらっと、幾つもの過去の名作を並べて、その中から自分が「いいな」と思う一枚を選んでもらいます。みんなかならず、どれか、これ、と思うものに手を伸ばすのもおもしろい光景です。

よく見て、写す。いつのまにか、もと絵の勢いにのって、じぶんの勢いが重なって描かれていきます。

構図や色合い、筆のゆきかた、背景のありよう、この一枚がじぶんに呼びかけてくるもの…そんないろいろを、ことばではないところで、感覚して、知覚して、見入って、描くことで経験していく。それが真似ぶ<模写>の楽しさではないかと思います。「こうやって描いてみたら」と絵のむこうがわから、子どもたちに伝えてくれる、むかしの画家たちとのおしゃべり。

どの子も、もとの絵のすてきなところと、自分の眼やこころが惹かれたどこかが共鳴しあうかのように、あたらしい一枚を生み出してくれます。


もとの絵がどれほどすばらしくても、それとただそっくりにすることが正解というわけではない。同じもとの絵をみて描いても、わたしとこの子の絵はちがう絵になっている。そんなことをはっきりと見せてくれるのも、模写のおもしろいところだとわたしは思っています。

集中した時間のあと、「あぁよく描けた」と満足げな表情。

じぶんの世界なのに、ちょっと背伸びさせてくれる、ちょっとひとつ手をひいてくれて新しいところへゆける。模写はそんな時間かもしれません。

 

過去の日記

夏休み/日本画アトリエの光景
夏休み/日本画アトリエの光景

指から色に。

 

アトリエでは数年前から、春休みと夏休みのスペシャルアトリエのときに、日本画の時間をつくるようになりました。

 

子どもたちが学校や普段のアトリエで使うのは、ほとんどが水彩絵の具、クレパス、アクリルガッシュです。

 

日本画は絵の具チューブから出す絵の具ではありません(市販はされていますが、基本的には)。色をもった岩を砕いた粒子と、動物性のコラーゲン質である膠(にかわ)と水を混ぜ合わせて、「塗る」ことのできる状態にします。

 

混ぜ合わせるには、指をつかいます。正確には、眼も、指からつらなる身体全体を使っていることになります。

からだ全体を使う、その中で色を感覚することの経験を、今年のアトリエはもっともっとふやしていきたいと思っています。

 

その経験が、ひとりひとりの子どもたちのどこに染みとおってゆくのか、それはわからないことです。けれども、たくさんの美しい映像や画像があふれる今の世界のなかで、自分の実感をもって色をみつけ、えらび、味わう経験は、きっとどこかでその子どもの世界の彩りに対する感覚を少しだけでも豊かにしてくれる。

そんなことを思いながら、9月。子どもたちを、ふたたび迎えます。

 

 

 

信楽陶土で楽しい器
信楽陶土で楽しい器

アトリエ恒例の「信楽粘土で陶器をつくる」季節がやってきました。

本場信楽から陶土を送っていただき、ひとり1kgの土を相手に、作りたいものを作る。

信楽焼きはとてもしっかりと焼き上がり、お家で使えるとあって(お料理をのせたり、机の上に置いて楽しんだり)、多くのこどもたちが毎年楽しみにしています。

いろんな形の器や置物が、こどもたちの手からどんどん生まれていきます。

 

ひんやりと冷たい土の感触、自分の手の熱でだんだんと変化していく肌理。小さく小さく丸めたり、たたいてのばしたり、「どうやったら、作りたいかたちになるのかな」の試行錯誤。五感をめいいっぱい使って、土と遊ぶ姿は、ちゃんとできあがったものたちのかたちに続いています。

焼き上がりは夏休み前。楽しみです!! 

 

 


消しゴムスタンプでカレンダー
消しゴムスタンプでカレンダー

アトリエの12月はカレンダーを作って終わり、新年をむかえる準備をします。

 

手しごとアトリエのひとたちは消しゴムはんこで。子どもアトリエのひとたちは紙版画で、カレンダーをすてきにいろどりました。

 

はんこや版画は、彫刻刀、カッターやはさみといった<刃物>と出会うチャンスでもあります。

 

両手を使うこと、力の入れ方で切れ味が変わること、無理な方向へは進めないこと、じぶんの正面で刃物を扱うこと、などなど。

 

鋭いもの、切れるものと出会う緊張感。ぴりりと締まった冬の空気感のように、刃物とも出会ってほしいと願っています。

 

…とはいえ、「ひゃーくたびれた〜」「めっちゃ疲れた!」の声、多数。

 

 

 

真剣に、くたびれるほどになることだって、あっていいよ!と応えながら、それぞれの楽しい線や、踊るような画面に、来年もすてきな日々であるようにと思いました。